全国の求人・転職 > 2016〜2017 はたらいくの転職市場予測 > 専門・その他(美容・インストラクターなど)の市場動向
厚生労働省の「生活衛生関係営業の概要」によると、2014年3月時点での業美容師数は48万7,636人、美容所数は23万4,089施設とどちらも増加傾向です。美容サロンは店舗過剰と言われてはいますが、求人数は多く2016年も売り手市場の傾向にあります。消費税増の影響もあり、2015年は顧客の来店頻度が落ちるなど業界全体として節約の傾向がみられました。しかし、美容業界全体として訪日外国人の顧客が増えつつあり、訪日外国人の美ンバウンドに対応するために語学力のある人材ニーズも高まっています。また、今まで以上にコミュニケーション力に長けた人材が重宝されるでしょう。YTV(Year Time Value)で経営を考える一環として、ネイルやヘアメイクなどより幅広いメニューで顧客を獲得するトータルビューティーサロンも増えつつあります。技術・サービスの両面から顧客満足度を高め、顧客の定着をはかりつつO2Oなどで実店舗へ送客する動きは2016年も続く見込みです。また、インストラクターなど教える仕事の新しい働き方のひとつとして大人向けの家庭教師があります。家庭教師というと数学などの勉強を教えるイメージが強いかもしれませんが、音楽やテーブルマナーなど、幅広い分野で人材が求められています。この他、2020年から始まる新しい大学入試に向けた取り組みも始まっており、ICTツールの活用やオンライ学習の対応など、実力だけでなく柔軟性のある人材が求められるでしょう。
各専門分野の資格・経験があれば、より転職に有利です。理容師など、国家資格がないと就業できない仕事もあるほか、2008年からまつげエクステに美容師免許が必要となるなど、経験だけでは仕事ができない場合もあります。転職活動時には、必ず資格の必要性について確認しておきましょう。転職先によっては就業後に資格取得をサポートしてもらえることもあります。また、美ンバウンドという言葉からも分かる通り、訪日外国人の顧客が増えつつある美容業界では語学のニーズが高まっています。美理容師の資格を持っていなくても、レセプショニストなどの人材ニーズがあるため、留学や語学力を生かした仕事の経験などがあればアピールしたいポイントです。なお、美容・インストラクターなどの仕事は、常にお客様と接する仕事であるため、接客業や営業の経験があれば役立ちます。特にエステサロンでは販売がノルマになっている店舗もあるため、営業力が高い人材は重宝される傾向にあります。また、2016年の注目キーワードでもあるO2Oやオンライン学習についての経験も転職を有利に進める1つのポイントです。経験がない場合でも市場について理解していることをアピールし、市場のトレンドを踏まえたうえで自分ができること・やりたいことを採用担当者に伝えましょう。
美容・インストラクターなどの専門職では、専門的な技術力とコミュニケーション能力、そして向上心を兼ね備えた人材が求められます。訪日外国人からも日本のおもてなし(ていねいな接客力)が評価されており、美容業界においてコミュニケーション能力はますます重要視されるでしょう。コミュニケーション能力の一環として、英語や中国語などの外国語ができる人材も求められています。美ンバウンドが注目を集める2016年は、語学力を強みにできるでしょう。また、語学研修を行う美容サロンも増えつつあります。語学力に自信がない人でも、外国語を習得するチャンスですので、学習意欲をアピール材料に活かしていきましょう。自身で何か始めている言語学習があれば、その取り組みも転職活動を有利に進める武器になります。また、美容業界全般としていえるのが、新しい技術をキャッチアップしていくことの大変さです。ヘアメイクなどは流行に左右されやすい部分もあり、向上心が欠かせません。インストラクターの場合、プレゼンテーション能力も重視される傾向にあります。インストラクターとは人に何かを教える仕事ですので、言葉を通して分かりやすく伝える能力は重要です。
美容やインストラクターの仕事では、体力も重要です。フルタイムの勤務であれば1日立ちっぱなしで仕事をすることも珍しくないため、忙しくとも常に笑顔で接客を続けられるスタミナも求められます。
美ンバウンドとは美容を楽しむインバウンドの略です。2015年の流行に選ばれた「爆買い」は、訪日外国人が日本で買える「モノ」を求めた結果起きた現象でした。2016年は日本でしかできない「コト」を求めた動きが増えつつあり、その1つに美容があります。訪日外国人に求められているのは、技術だけではありません。サロンの清潔感やおもてなし、品質やブランドに対する信頼感を含め、日本の美容サロンが評価されています。特に丁寧な接客が好評を博しており、コミュニケーション能力の高い人材は重宝されるでしょう。また、訪日外国人向けに、外国語対応のできるスタッフをそろえるサロンや、和を意識したメニューを用意するサロンも目立ち始めています。
O2Oとは、Online to Offlineの略で、インターネット上(オンライン)の情報や活動を通して集めた顧客予備軍を、実店舗(オフライン)に送客することです。SNSやメッセージアプリを活用した集客方法美容だけでなく、コンビニエンスストアや飲食店などでも広がっています。美容やインストラクターなどの専門家がO2Oを通じて集客する場合は、ただクーポンやメッセージを配信すれば良いわけではありません。顧客の属性に合わせた共感や感動を生み出すことが大切です。そのうえで、インセンティブや独自性をアピールするなどのコミュニケーションを行うことが必要となるでしょう。O2Oは2016年も注目を集める手法となりそうです。O2Oのアプリケーションも色々と出ており、こうしたツールを活用した集客ができることも、1つの強みとしてアピールできるでしょう。
YTVとは、顧客一人当たりの年間売上高に注目した指標です。一度の来店で多くの売り上げを求めるのではなく、リピート率を上げ年間という長期視点で売り上げを考えます。リピート率向上のためにヒアリング、クーポンや特典だけではなく、また来たいと思ってもらえるよう、顧客との信頼関係を構築し、満足度を上げることが大切となるでしょう。また、近年増えているトータルビューティーサロンとしての在り方もその一例といえます。ヘアサロンとしてだけではなく、ネイルやまつげエクステなど幅広い「美」を扱うことで顧客の来店回数を増やすことが狙いです。なお、類似した指標にLTV(Life Time Value)やCLV(Customer Lifetime Value)があります。Lifeという単語からも分かるように、顧客の生涯という長いスパンで算出する指標です。いずれも、顧客との信頼関係を大切にしてリピートを促すという意味では同じであり、2016年も注目される指標となるでしょう。
スタディ・ライフ・バランスとは、2020年から変わる新しい大学入試に向けた提案です。これまでのセンター試験は廃止され、新たな試験では知識・技能を活用するための思考・判断・表現力と主体性を問われるようになります。思考・判断・表現力は、机上の勉強だけでなく色々な経験を通じて学んでいくものです。しかし、基礎となる学力は維持しなければなりませんので、これまで以上に勉強の効率化が求められるでしょう。タブレットを導入しICTを活用する教育サービスや学校も増えてきています。塾に行く代わりにICTツールを活用することで、往復の時間を有効活用できるといった事例もあがっており、今後ますます拡大していくでしょう。市場のニーズが高まっているICTツールを活用した実績は、インストラクターや教育者としてもアピールポイントとなります。実績がなくとも、市場を理解していればアピールできる可能性がありますので、知識として頭に入れておきましょう。
オンライン学習とは、インターネット上で行う学習のことです。子供だけではなく社会人にもオンライン学習のニーズは広まっており、2016年も引き続き注目を集めるでしょう。オンライン学習のメリットは、時間や場所を選ばないこと、自分のペースで学習ができること、反復学習が容易であることなどです。デメリットとしては、自主的に学ぶ姿勢がないと続かないことや臨場感のなさなどがあげられるでしょう。また、一定のIT環境やスキルが必要とされるため、受講が難しい人もゼロではありません。サービスによっては、生放送を取り入れることで臨場感を出しているところもあります。今後も多様なサービス展開が期待される市場であり、教育者だけでなく企画やアプリ開発など幅広い人材が求められるでしょう。