全国の求人・転職 > 2016〜2017 はたらいくの転職市場予測 > 事務・企画系の市場動向

2016〜2017 はたらいくの転職市場予測

事務・企画系の市場動向

求人数は堅調だが求職数が多いことから一般事務は狭き門。オフィスワーク全般に目を向けるとチャンスが広がります。

事務・企画の転職市場予測

事務の仕事は、一定の求人数はあるものの、女性を中心に求職者が多い傾向にあることから狭き門となっています。厚生労働省の一般職業紹介状況では、2016年1月の事務職の有効求人倍率が0.34倍で、特に人気の高い一般事務では0.27倍と厳しい状況です。

事務の中には、経理や法務のように専門知識を必要とする仕事もありますが、一般事務や営業事務は、一定レベル以上のPCスキルがあれば比較的就業しやすいことも人気がある要因です。一般事務を希望する人は、営業事務だけではなく、コールセンターのオペレーター、エンジニアや営業のサポート業務などのオフィスワークを含めて転職活動を行なうと、採用される可能性が高まります。厚生労働省による2016年1月の有効求人倍率では、営業・販売関連事務の職業が0.66倍、生産関連事務の職業が1.02倍でした。

また、企業規模では大企業を希望する求職者が多いですが、中小企業やベンチャー企業に目を向けてみると採用されるチャンスが一気に広がります。

2016年の傾向としては、採用関連の事務の仕事が増加傾向です。2017年卒業予定者の新卒採用では、3月1日が就活解禁になるため短期決戦となり、『100日戦争』と言われていることが要因となっています。採用数を確保するためには、エントリーシートの収集から、面接日の設定など、採用関連の通知業務が短期間で膨大な事務量となることが予想され、採用担当者のアシスタント業務へのニーズがあります。法務関係の事務も、好景気を受けて企業活動が活発になっていることから、契約書の確認作業などでニーズが高まる見込みです。


持っていると有利なスキル・経験

事務職の転職ではPCスキルは必ずとも言えるほど必要になりますので、ExcelやWordの基本的な操作は最低限求められます。ExcelのマクロやPowerPoint、Access(データベース管理ソフト)が使えることが条件とされる求人もみられます。MOS(Microsoft Office Specialist)を取得すると、PCスキルを客観的にアピールできる材料となりますので、選考に有利です。

電話応対や来客の対応でのビジネスマナーを身につけていることも、会社の印象を決める大きな要素になりますので重視されるポイントです。また、実務として社内文書の作成ができるかどうか、文書作成能力も問われます。事務処理能力の正確性は適性検査などを通して判断されます。

事務職の中でも、経理や法務、貿易事務などは専門事務と呼ばれています。経理事務の転職では簿記の資格だけではなく実務経験も求められますが、未経験者はアシスタントから始められる求人を探すとよいでしょう。貿易事務は輸出入業務を行なう商社やメーカー、倉庫会社での需要があります。輸出通関書類作成や通関手配などの業務を行なう特殊性があるため、業務経験があると有利であり、語学力も必要です。


事務・企画に求められる人物像

事務・企画の仕事では社内外の人と円滑に業務が進められるコミュニケーション能力が求められることが多いです。事務職は、グループあるいは個人のアシスタントとしての業務であることから、人をサポートすることが好きなホスピタリティのある人に向いています。周囲の人への気配りができること、相手のことを考えて先回りしてサポートできることが、業務を円滑に進めていくために求められます。特に営業事務では、営業職の指示内容に基づいて資料の作成や客先との連絡を行ないますので、臨機応変に対応する能力も必要です。常に笑顔で明るく接することができる人は好まれます。

事務職全般では、担当する仕事をコツコツとミスなく行う正確性も求められます。経理事務や貿易事務は、繁忙期に膨大な事務量を迅速にこなすことに抵抗がない人に向いている仕事です。

今注目のキーワード

MOS

MOSは、Microsoft Office Specialistの略称で、ExcelやWord、PowerPoint、Accessなどのマイクロソフトオフィス製品のスキルに対して、マイクロソフトが認定する国際資格です。アプリケーションのバージョンごとに試験が実施され、WordとExcelには一般のスペシャリストレベルのほかに、上級のエキスパートレベルも用意されています。PCスキルのレベルを口頭でアピールするのは難しいため、求職者の多い事務職の転職では、MOS資格を取得することが有利に働きやすいです。事務職経験の浅い人も、パソコンのスクールに通っただけではスキルを証明しにくいですが、MOS資格を取得するとアピールポイントとすることができます。

人材採用

人材採用関連の仕事は、好景気により新卒・中途採用が活発になったタイミングで需要が高まります。2017年度の新卒採用は、2016年から引き続いて、就職活動の解禁日が3月1日と後ろ倒しとなったため、短期決戦となります。企業側も採用シーズンを迎える前に、事務処理を短期間で行うための人材の補充を行う場合があります。採用関連の事務職は短期的な需要のため、派遣社員やアルバイトでの補充も考えられますが、好景気が続けば採用担当の事務職の正社員としての増員枠も増えるでしょう。人事関係の事務職は特別な資格を必要とはせず、新卒採用では配属によって就くケースが多くなっています。転職で人事事務職から同職種に就くのは有利になります。

専門事務

事務職の中でも、経理事務や法務事務、貿易事務など専門性の高い事務は、一般事務と比べて転職での競争率が低い傾向にあります。一般事務は経験を問わない求人も多いため、倍率が高く、採用ハードルも高くなりがちですが、専門事務で経験を積んでいると転職での年収アップが可能なケースもみられます。特に経理事務はどの業種でも必要とされることからニーズが高いです。事務職経験のある人が簿記の資格を取得すると、アシスタント業務から入って経験を積みやすくなります。事務職として働き続けることを考えている人は、20代のうちから専門事務として就業することを視野に入れて、スクールに通って資格を取得するなどの準備を進めておくとよいでしょう。

語学力

語学力は、事務職としての転職で差別化を図るうえで武器となります。外資系企業では、事務職も英語能力を求められることもありますので、TOEICや英検を受験しておくと有利です。英語力を必要とする専門事務として、貿易事務が挙げられます。貿易事務では、語学力があることが前提で、アシスタント業務でも初級レベルの英会話能力が必要です。貿易事務は輸出入に関わる事務を行ないますが、企業によって任される業務範囲に幅があります。貿易事務は、国家資格である通関士や民間資格の貿易実務検定試験を取得すると転職に有利となります。貿易事務など語学力が必要とされる事務職は、一般事務や営業事務と比較して、専門性の高さから給料水準が高いことも魅力です。

ベンチャー企業

ベンチャー企業では優秀な人材の確保が課題となっているケースが多いです。ベンチャー企業への転職では業務経験者が重宝され、事務職としてのキャリアを活かして年収アップを図れるケースもあります。ベンチャー企業の総務部門は少数精鋭のため、企業内のスタッフと馴染むかどうか、求職者の人柄や仕事に対するスタンスを重視して採用する企業も多いです。少人数だからこそ採用後に相応の努力が求められることも認識しておく必要があるでしょう。年功序列の社風が合わない人もベンチャー企業への応募を視野に入れることをおすすめします。ベンチャー企業では事務職も残業がある可能性もありますので、ワークライフバランスを重視したい人は面接時に確認しましょう。

ページTOPへ