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はたらいく 職人という生き方
  • 名前: 山本静さん・利根川温実さん
  • 職業: 和菓子製造
  • 企業: 株式会社虎屋

飽くなき探究心が生み出す、和菓子の老舗 とらやの味

日本の文化 和菓子を今へ、次代へ継承する職人の在り方

和菓子作り一筋に約40年、技術者としての職人の姿
和菓子作り一筋に約40年、技術者としての職人の姿

和菓子の老舗「虎屋」は、室町時代後期に創業し、見て綺麗、食べておいしい和菓子を長く世に送り出してきました。理想の菓子を作るために、機械が勝る工程では機械化をしていますが、ばらつきのある天然の原材料から一定した品質の菓子に仕上げるため、要所には必ず人の手と目を入れています。

その虎屋の和菓子を支えているひとりが、同社東京工場の山本静さんです。「社内では職人と呼ばず製造職の人と呼ばれます。」と言う山本さんは、昭和47年入社の大ベテラン。製造の仕事一筋に40年近く勤めてきました。和菓子の道に進んだのも和菓子職人への憧れからでした。きっかけは高校での菓子作り実習。すべて手で作り上げる和菓子作りに「すごい」と感動。それを機にこの職業に「憧れ」を抱き、両親にも相談せずに自分の進路を決めました。

「自分はまだ完成されていない」〜飽くなき探究心が継続の原動力

山本さんにとって和菓子作りの楽しみは「自分が携わったものを形にできること」。その達成感の裏には技術や知識を習得する苦労もありました。「自分たちは見て覚えてきた世代。先輩に聞いても教えてもらえなかった。でも何日も同じことができないと怒られる。だから聞けるチャンスがあれば、絶対に逃しませんでした。」と修行時代を回顧されます。

「自分はまだ完成されていない」と山本さんは幾度となく口にされます。熟練の職人をも「まだまだ」と思わせる和菓子。山本さんは「菓子にはひとつひとつにストーリーがあり歴史があります。四季の移り変わり、自然などを自分の感性で感じとり、葉の緑色を出すにしても季節ごとに微妙な色のちがいを演出します。地名や古今和歌集などの文献を解釈し、それを菓子の形と名前(菓銘)で表現します。店頭で販売される菓子以外にも特別注文などお客様の様々なご要望にもお応えしますが、いつもお客様が召し上がる場面に思いを巡らせ菓子を作るように心掛けています。また、季節の生菓子は半月ほどで切り替ることからも、飽くことがない面白さがある反面、常に勉強が不可欠なのです。」

「見て盗む」時代から「教え継ぐ」時代へ

山本さんは製造の傍ら、若い人の育成にも力を注いでいます。「最近は怒る人が少ないですが、やはりレベルアップのために言うべきことは言います。自分がその値段で買いたいと思えるか、出来上がった和菓子を見て考えてほしい。」和菓子の製法を守り継いでいくために、若手を叱咤激励することも。そんな山本さんの許で修業を積んだ人のひとりが入社9年目の利根川温実さん。利根川さんは、パンやケーキ作りの趣味が高じて虎屋へ入社。「厳しい職人の世界と覚悟して入りましたが、先輩方には多くのことを教えていただきました。山本さんは本当に頼りになり、わからないことがあればいつも山本さんに質問していました」と向上心を伺わせます。山本さんは「彼女が恐らく一番多く質問をしています。答えられなかったらどうしようという思いで今でも書籍や専門学校の講師からも教えを請います。」と若手への期待を抱きながら、自身の和菓子作りへの追及に余念がありません。

※写真:実際の作業時はマスクを着用しています。

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